コラム

column

2021.10.13

ひとみんのイントラ部屋 ~ 力まずに泳ぐには ~

水泳は、水の上に浮かんで前進したり潜ったりするスポーツであるが、陸上での運動と違う点がいくつかある。

メリット1

重力が1/6となるので、関節への負荷が減少する。

→力を入れずにぶらぶらしていれば進む。

メリット2

浮いているので、点ではなく面で、つまり全身で満遍なくバランスをとりながら運動する必要がある。接地のような重さを固定できる場所がない。

→ゆらぎの中で動けば良い

メリット3

水圧の関係で深度により空気中にいる時よりも水圧がかかる。自分が動けば水が動いて流体力学が発生する。

→重さを支えにすることも負荷にすることも技術次第。波を推進力と捉えるのも抵抗と捉えるのも技術次第。テコの原理も働く。

水泳だけができないというスポーツ万能の方が案外多いのはそのためではないかと思う。

重心の位置も陸上のおへそから、水中はみぞおちに変わるからかもしれない。

水泳においては、厳密には様々に関節が曲がったり、伸びたり、その時点での力の出し方、筋肉の部位においても若干違うが、どのような筋肉を多くつかっているか?というと、浮くための動作で姿勢維持なので、アイソメトリック収縮がそれに当てはまる。

つまり、体幹トレで、プランクをしたり、空気椅子をしたり、筋を伸ばしたまま維持したり、スタビリティ(安定性)を崩さないまま、モビリティ(可動性)手足を動かすので、体幹から力を出して手先足先に伝えるテコの原理のように動く必要があるが、ついつい使いやすい手や足の関節だけを曲げて捻って動こうとしてしまう。

手足に振り回されてバランスをくずしてしまう。

力んでしまう人の特徴としては、

1.泳げないと思い込んでいる 2.力を入れないと水を押せないと思っている 3.小さな関節を曲げて動かそうとする

1.については、力んでいるから沈むので息を吐いたり体を揺すったりして水上で踏ん張らなくても浮いていられることを覚え、リラックスすることを考えれば良い。

2.については手の角度を90度にしないといけないと思い込んでしまっていたり深く曲げないと関節を伸ばせないと勘違いしてしまっている。

飛行機が真上に飛び上がらないように、浅めの角度で浅い角度をつければ十分小さな力で進む。

3.については、肩や首・膝など体幹から離れた関節とそれに付着する筋肉で体幹を支えようとしてしまう。

軽くお腹に力を入れて余力を残しておけば良いのに、手足を遠くにまっすぐ伸ばして、力が入りにくい場所でストロークを始めようとしたり、浮く力がまだ備わっていないにもかかわらず、細長くなってしまって固まって動けなくなっている。

解決策としては、

1.浮く姿勢は大の字で。

浮くために使える面積を増やすこと。

2.関節を伸ばし切らずに緩めておく。

どちらかというと手も足も手前に置いておく。

そこから、

3.小さな動作から徐々に大きな動作に繋げていく。

4.遅すぎる動作はかえってバランスを崩すので自転車を漕ぐようにある程度テンポ良く泳いでいく

そうすれば、身体中に力を入れていた自分に別れを告げ軽やかに進んでいく私に出会えるはずだ。