コラム

column

2021.07.28

トップスイマー御用達『ストレートアーム』とは

水泳の、クロールの水の掻き方

長い水泳の歴史で研究されてきた「どうすれば速く泳げるか」

水泳もとい競泳の極意はここにあります。

「速く泳ぐ」にしても「ラクに泳ぐ」にしても【水の掻き方】はとても大事にされています。

そしてずっっっと言われてきているのが

S字プル

入水からフィニッシュに至るまで、英語の「S」を描くようにして水を掻く技術です。

S字を描くことで直線的な掻き方よりも多くの水をとらえることができて、スムーズにフィニッシュまで持っていくことができます。

今でもこのS字プルは子供のスクールから大人のスクール、競泳の世界でも主流とされています。

流行りの『ストレートアーム』のはじまり

流行りといっても調べてみると、2008年にストレートアームに関してのネットでのやりとりがありました。

その技術をもった選手の活躍やフォームの研究があり、現代になってより浸透してきたのです。

その選手とは競泳選手です。ストレートアームの発端は競泳選手の泳法が元になってます。

当然です。なんでもないおじさんが手をまっすぐにして泳いでもだれも注目しませんし、研究されません。

そのストレートアームの泳法がより速く泳げるからみんな真似して研究しだしたのです。

ストレートアームとはどういう技術か

その名前の通り「腕を真っすぐにして泳ぐ泳法」です。

無駄な動作を省き、力いっぱい腕を回して回転速度を上げて泳ぎます。

なので、入水がどうこうとかローリングがどうこうとか細かいことは気にしない。

ガンガン泳ぐのがストレートアームです。

このストレートアームに有効なのは50m、100m自由形といった短距離です。

人によっては100mでも前半後半で泳ぎ分けてる人もいますが、 通常、あの爆発的な泳ぎはそう長くはもたないようです。

では「フォームがぐちゃぐちゃでなぜ速いの?」かというと

水を捉える技術・感じる能力に長けているから

です。トップスイマーと一般の人との大きな違いです。

確かにキックの爆発力や総合的な筋力・能力もですが、トップスイマーの【水を捉える・感じる能力】は長年培ってきたもので1・2日で習得するものではありません。

ストレートアームはどんな技術かというとそれは 【水を捉える・感じる能力の最上級版】です。

どんな人がストレートアームを使うのに有効か、

また有効でないのは・・・

極論いうと全国大会で活躍している人、しようとしてる人です。特に短距離。もっといえは、0.1秒単位でタイムを追い求めている人です。タイムを計るたびに2秒3秒ベストがでる人はまだまだ違うところを直す必要があります。

また有効でないのは中長距離のスイマー、楽しく泳ぎたい・きれいに泳ぎたいスイマー、体が未発達なスイマーが考えられます。

水泳だけに限ったことではありませんが、スポーツのトッププレイヤーは体を酷使してパフォーマンスを上げています。ローリングをしないでトップスイマーのような腕の回し方は肩関節に負担をかけています。選手はそれを承知の上、十分なストレッチや筋トレをしてケガの予防に努め、あの数十秒にかけるのです。

あれを子供や未熟な大人がやるとケガの要因になりますので、正しい認識が必要です。

一般のスイマーはS字プルをしよう!

楽しく泳ぎたい、ラクに泳ぎたい、4泳法泳ぎたいって方はS字プルで十分です。むしろS字プルの習得でさえ困難なはずです。

『今、コーチからストレートアーム習ってるんだけど?』

って方。それはそれでいいです。いろんな情報を吸収するのは良いことです。

ただS字プルが古い泳法なわけではなく。ストレートアームが新しいからイイというわけではありません。 それぞれ自分に合った、自分の得意な距離や戦い方に合った泳ぎ方を見つけてほしいと思います。

まとめ

ストレートアームはトップスイマーに限定された技術であって、万人向けではありません。

それぞれ基本のフォームを習得してから、自分なりにフォームを改造しましょう。

やってはいけないわけではありませんが、ストレートアームの特性を引き出せる泳力に今あるのか。必要かを考えて取り組みましょう。