※これは友人から又聞きした内容なので、特定を避けるため多少フェイクも入れています。
スイミングスクールには進級テストがあり、クロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライの4泳法を覚えると、25mや50mのタイムを計り、制限タイムを切ると進級出来るようになります。
A君は背泳ぎの制限タイムが切れなくて悩んでいました。
同じく担当コーチも悩んでいました。
背泳ぎの制限タイムが切れずに進級できずに1年になろうとしていたからです。
A君はいつも休まずスクールに通い、練習も真面目に取り組んでいます。
ただ、クロールや背泳ぎを速く泳ぐことが苦手なようでした。
コーチもA君が4泳法の習得から担当してきて、泳ぎ自体は上手いものの、速く泳ぐのは苦手なことは知っていました。
しかし平泳ぎの習得だけは異様に早いのも記憶にありました。
背泳ぎのタイムは徐々に縮まってきてはいるものの、あと2秒のところでまた止まってしまっている状況でした。
進級テストのたびにA君は気持ちを落とし、帰っていきます。
他の子は順調に進級していきましたが、コーチは自分の指導力にも責任を感じていました。
そして迷いながらもあることを実行してみます。
コーチはある日の進級テストで、独断で、計測タイムを誤魔化し、制限タイムを突破させました。
A君は飛び跳ねて喜び、保護者の方も大変喜んでいました。
次回からの進級テストは平泳ぎ。
長年停滞していた進級から抜け出した喜びもあってか、平泳ぎの制限タイムは飛び級で突破し、バタフライ、個人メドレーもトントン拍子で突破し、1年かからずにクラブの進級テストを制覇しました。
もちろん最後にはあのとき誤魔化した背泳ぎの制限タイムもラクラク突破していました。
A君は平泳ぎで能力が開花し、全国大会へ出るまでになりました。
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